池波先生、失礼します。
ようやく入店が叶いました、てんぷら近藤さん。
油を活かす達人と言えばやはり天ぷらの職人さんが最高峰かと思うところです。
油のコントロールだけでなく「天ぷらは蒸し料理」と仰る近藤さんの言う通り、
衣で包んだタネを、衣を破さず油に放ってその水分量をはかり余熱も計算して、
絶妙に引き上げるんですよ。
天ぷらは熟練の技でございます、プロに揚げていただきましょう。
天ぷらですので写真は数点のみ。
揚げ立てを頂くことに専念します。
才巻海老からはじまり、立派なアスパラガスや蓮根、タラの芽など山菜、めごちやすみいか。
塩でいただくのが美味しいものが多かったです。
純米に一番合うと思ったのは雲丹のシソ巻き。
想像よりたっぷりとした食べ応え、これはたまりません。
立派な蛤。しっかりした歯応えとじゅわっと溢れ出る旨味に無言。。
有名なじっくり揚げるさつま芋は3人で分けてちょうど良く…。
あ、野菜の中では原木椎茸の美味しさが印象に残りました。
焼いたもの、蒸したものとはまた違うはじめての食感と旨味の凝縮加減、
あれはもう一度食べてみたいです。
鍋いっぱいに散らし、え、まだ?まだいいの?と心配になるくらいの時間を
かけて、でも最後は手早く山にまとめる人参の天ぷら。
面白い…。想像ほどカリッカリにはならず中はしっとり甘い人参でした。
お腹いっぱいですがせっかくなので!天茶も(ごはん少なめ)。
塩のみで一口いただいてからお茶を。
これだけいただいても満腹であってももたれないし、寝る頃には天ぷら食べたっけ?
のような食後感は、やはり油を何度も新しくすることにあるでしょう。
あの2時間足らずの間に太白ごま油を5回も、継ぎ足しでなく総入替えされてましたから。
ごま油のここ数年の価格高騰には大変な想いをされたことでしょう。
とにかく技を堪能させていただきました。
予約を取ってくれたちょうど誕生日だった近藤君もおめでとうのありがとうございました!