祇園の通り奥、ここ?という場所。
引き戸を開けると、明るい白木のカウンターに掘り炬燵。
こじんまりした気持ちの良い空間が。
山玄茶さんです。
http://www.eonet.ne.jp/~sangencha/
小さめのビールで喉を潤し、黄身酢と冷たいとろみで楽しむ先付を。
お椀はふるっふるに柔らかい海老しんじょ、美味しい出汁でほっこり。
お造りがまた楽しい。
鯛、鯵、蛸、烏賊、赤貝をそれぞれ塩、酢橘、梅肉、山葵醤油で。
ここでなんとご主人が手取り足取り、いえ箸でお刺身一枚ずつに、
「これは梅があいますねぇ、でこちらは山葵たっぷりのせてねぇ」と
ちょいちょい世話を焼いてくれます(笑)ちょっとびっくり。
あ、真ん中の私だけに手順を見せて、お隣さんは同様にするってことかしら
と思えば、順番に、お隣さんにもちょいちょいやってくれるのです!
「カウンター埋まってても…全員に?」と聞くと、
「そうなんですわ、もう大忙しで~」となんと気さくな懐石料理。
小さなお家からは、蟹といくらの一口蒸し鮨。
そう言えば蒸したお鮨って関東ではあんまり食べないかしら。
京都では商店街でも湯気のあがっているお鮨屋さんがありましたね。
立派な朴歯からは身の厚い鰆が。
和食って本当に季節感が素晴らしい。紅葉の終わりと雪。(12月)
河豚皮などの酒肴小鉢が3種隠れています。
鮭も牛肉も、この一口の幸せ。お酒が進みます…。
次も仰天の一皿。天ぷらを白味噌ポタージュで!??
そして不思議にマッチしてしまうのが面白い。
向こう側のほんのり少量の辛子を溶きいれると、また雰囲気が変わります。
海老の下はほっくり海老芋。
極めつけは、このお店の為に特別に焼いたバターたっぷりのブリオッシュを、
このソースにつけて食す!なんですかここ(笑
冷たい一口なめこ蕎麦で我に返り…。
雲子(白子)入りの蕪蒸しにまたとろけ…。
3人の為に土鍋で炊き上げた艶やかなご飯が登場!
胸もお腹ももういっぱいなのですが…。
「まずはそのまま一口」「次は塩で」「はい梅干のっけて~」
とまたご主人からの美味しい指導が入ります。
「お香々には生醤油、どれも表情が変わって美味しいでしょ?」
はい、美味しすぎます。
こちらはご主人の実家で採れたお米だそう。甘いのです。
二膳目は?た~っぷりのしらすで、悶絶。
そうそう、赤出汁が上澄み?というか全く濁りがなくてそれにもびっくり。
もう苦しいと言いながらも順調に食べ進める3人を見たご主人。
「あとはね、カルボナーラか鰻茶ね。」
は?カルボナーラ?
「うちの卵かけご飯はね、カルボナーラみたいなの」
…うーん決められない、どっちも一口ずつ…。
わ、いいんですか~?(笑)私のせいで東京人図々しい印象に。
しらす、卵黄、鰻、海苔、ごはん、しらす、卵黄、海苔…
「はい、らいすかるぼな~ら。よ~く混ぜてね。」
敢えて平仮名表記したくなるライスカルボナーラ。ご主人の遊び心に脱帽です。
鰻の山椒煮、山葵、ごはん。はぁ日本って素晴らしい。
ご主人はもう貸切だったので…店名の由来や経歴などいろいろお話を聞きながら、
世界一やわらかい水羊羹!や百合根饅頭をいただきました。
果物にはワインジュレと柘榴が。
タクシーの運転手さんや京都に住む友人も知らない、か名前は聞いたけど
行ってないというお店=京都では古くないということ。
滋賀の料亭招福楼での20年間の修行されて開業、4、5年くらい前に京都へ
移転して来られたとのこと。
なるほどなホスピタリティ、それでいてどこか京都を外から見る目を持って
らっしゃって、一見でも本当に居心地のよい時間を過ごせました。
「技術じゃなくて心配りが一番大事やと思うんです」
増田さんにまた会いたくて、予約したくなる一軒です。
できれば春夏秋冬それぞれのお料理を味わいたいものです。
あ、ちなみに今回は一番お安いコースで確か11,000~12,000円+お酒代程度。
コスパ的にも大満足です。
お店をご紹介くださった千茱萸姐様に感謝!
今度一緒に行きたいものですね~。