オリーブオイル鑑定への一歩/テイスター適正能力認定

今日は少し長いですが、オリーブオイルのお話とご報告を。

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あんなに連日頭を使いそして緊張したのは久しぶりでした。

5月中旬の4日間、朝6時半に家を出て8時半から18時半まで授業と試験の日々…。

オリーブオイル鑑定の勉強と試験を受けました。

ワイン同様世界中に星の数ほどあるオリーブオイル。

もっときちんと品質を判断したい、好き嫌いではなく特徴を自信をもって

把握したい。

日々オリーブオイルを使いまた扱いながら、いろいろなオイルに接するほど

募る想いでした。

知識や情報は取得しやすい時代です。

歴史や成分など化学的な勉強は結構できますが、正しく嗅覚と味覚で判断

するテイスティングにはやはり先生が必要です。

日本はこんなにオリーブオイルを消費しているのに、国際オリーブ理事

会(IOC)に加盟しておらず(元々国内でオリーブオイルを生産していなかった

理由もあるのですが)、輸入や販売における基準は国際規格に則っていません。

例えば「エキストラバージン」オリーブオイルを名乗れるのは化学分析を

クリアし、かつ人的(複数鑑定士グループの)な官能検査もパスしたもの

なのだけです。※すごく簡単に言ってます

■オリーブオイルの種類

http://www.abura-ya.jp/hpgen/HPB/entries/4.html

これを正しくジャッジできる鑑定士(オリーブオイルテイスター)は

公的な専門職です。世界共通の育成プログラムでトレーニングし、資

格を取得するのは大変なことなんです。

イタリアではアッサジャトーレ、スペインではカタドールと呼ばれます。

日本は生産や輸入を厳しく監査しているわけではないので世界で通用する

鑑定士の資格を持つ方はほんの一握りというのが実情です。

今後もっともっと判断できるプロを増やして行く必要があります。

でも技術習得にはイタリアやスペインに行かなくては…という中、世界最古の

鑑定教育機関O.N.A.O.O.(Organizzazione Nazionale Assaggiatori Olio di Oliva

/オリーブオイルテイスター機構)の授業が日本で受けられるという情報が!

しかも試験に合格すればイタリア政府公認の「オリーブオイルテイスティング適正

能力認定証明書」が発行されるとのこと。

もちろん取得しただけでテイスターという訳にはいかないのですが、

鑑定における基本の基本、必須の資格になります。

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という訳でイタリアからスペシャリストが来日、一日中イタリア語同時通訳にて

テクニカルコースを受講しました。

ちなみに私はヴィーノ、チャオ、ヴォーノ、カンノーリ、程度のイタリア語

認知度ですが(笑)イタリア語べらべらな生徒さんも多数…。

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なんといってもテクニカル、技術習得がメインなので分析やオイル製造、

健康効果などについても勉強しますが、「ヴァージンオリーブオイル官能検査

の公式メソッド」に則った試験が繰り返されます。

あとはひたすらテイスティングとテイスティングシート記入。

今までも経験はありましたが、より「欠陥の種類」までを10レベルで判断

するというのはなかなか…嗅いで覚えるしかないですけどね。

あぁ欠陥臭サンプル、欲しい。

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日本人に馴染みのないアーティーチョークの香りを嗅いでみたり、例えば

よく言われるアーモンドやトマトの香りも、状態で香りって全然違いますよね?

青いか熟れてるかなど。

そのテイスティングに使う場合の共通認識も明確になってよかったです。

「トマト」は青い葉の香りのこと、など。

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緊張の試験!想像以上に難しかったのです。

一つの欠陥臭(例えば醗酵・酸)が12レベルの濃淡に並べられたカップ

から先生が1つ選択し(生徒は目隠し)それを嗅ぎわけ元の位置に戻すとい

うテスト、1セットで4回繰り返されます。

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この嗅覚のテストが3セット、そして苦味を口で判断するテストが1セット

行われました。もう鼻は嗅ぎすぎるとどんどん香りが分からなくなるし、

微妙なレベルの違いは全く自信がなく…。

そんな時に限って子供は熱を出し保育園から迎え要請やらサポートママ

さんの手配で集中力が…(笑)。

プロの鑑定士さんも1つの鑑定を引き受けるパネル(鑑定士集団)に任命

されるには毎回試験を受けるんだそうです。

もちろん生き物なので体調、精神状態などで鑑定結果に大きな差が出る

のは当たり前とは言えシビアな世界です。

だからこそ複数人数による厳しいメソッドに則った鑑定に価値があるのだ

と思いますが。

世界基準かつ最新の情報を得ることができ、製造や化学分析についてもより

理解も深まり、正式なテイスティングシート記入にもようやく慣れつつ、

でも更に難しさを思い知った4日間。

本当に勉強になりました、そしてトレーニングをし続けることの重要性

を痛いほど実感しました。

もやもやすること2週間、合格通知が届きました、ほっ。

本当に受かったか全く自信がなかったので(汗)嬉しかったです。

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販売者としてもっともっとスキルアップしなくてはと身の引き締まる思いです。

第一期生としてこれからテイスティング技能訓練なども続けて参ります。

興味のある方は是非以下もご参照ください。

品質を鑑定できるオリーブオイルテイスター/イタリア政府公認オリーブ

オイルテイスター長友姫世

イタリア政府公認テイスターである姫世さんは日本でいずれパネル(鑑定

組織)を作りたいと活動されています。

今東京の地下鉄駅に置いてあるフリーペーパーメトロミニッツ Metro min.

のオリーブオイル特集でも詳しくオリーブオイルの話をされているので

是非お手に取ってみてください!

The Japan Food Journal 日本食糧新聞の記事/一般社団法人日本オリーブ

オイルテイスター協会 JOOTA-Japan Olive Oil Taster Association FBページ

JOOTAがONAOO認定テイスター・テクニカルコースを開催/最新油脂事情/幸書房

国際オリーブ理事会/IOC

今日はオリーブオイルのお話をさせていただきました。

※一部画像は一般社団法人日本オリーブオイルテイスター協会提供

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